Denver/Schaffhausen,
2021年
11月
9日
|
14:55
Europe/Amsterdam

ブーム・スーパーソニックとIWCシャフハウゼンが 新しいパートナーシップを結んで協力

デンバー/ シャフハウゼン、2021年11月9日 – IWCシャフハウゼンは、世界最速かつ最も持続可能な超音速旅客機を製造して いるブーム・スーパーソニック社と新しいパートナーシップを結ぶことを発表しました。両社の「時間」との特別な関係、優れた エンジニアリングの追求、サプライチェーン全体に持続可能性を組み込む努力が、このコラボレーションの基本的な概念となりま す。このパートナーシップの枠内で、IWCとブームはそれぞれの業界において持続可能な実践を進めるためのベストプラクティス を共有することを計画しています。

2014年に米国コロラド州デンバーで設立されたブーム・スー パーソニック社は、持続可能な超音速飛行によって民間による 空の旅を刷新することを目指しています。同社の超音速旅客 機、オーバーチュアは、ネットゼロカーボンで、100%持続可 能な航空燃料(SAF)を使用し、現在最速のジェット旅客機の 2倍の速度で飛行することができます。ブームのオーバーチュ アは、2025 年にロールアウトし、2026 年に飛行を開始し、 2029年までに乗客を運ぶことを予定しています。

IWCシャフハウゼンは、1868年、アメリカの時計技師フロレ ンタイン・アリオスト・ジョーンズによって創立されました。伝 統的なスイスの職人技とアメリカの現代的な産業技術を組み 合わせることで、スイス初の一環された時計製造体制を確立 しました。現在では、クロノグラフやカレンダーなどの独創的 で使い勝手の良い複雑機構に力を入れています。また、最先 端材料の分野でも独自のノウハウを蓄積しています。

Franziska Gsell, CMO of IWC Schaffhausen
IWCシャフハウゼンのCMO、フランツィスカ・グゼルは、こう 語ります。「1930年代に初のパイロット・ウォッチを設計して 以来、航空への情熱は、ブランドの歴史を通じた共通のテーマになってきました。私たちは、つねに先駆者と一緒に作業し、空を制覇する任務をサポートしてきました。優れたエンジニアリングと持続可能性の追求という共通点を原動力として、ブーム・スーパーソニックと協力できることを光栄に思っています。」
Franziska Gsell, CMO of IWC Schaffhausen

ブーム・スーパーソニックの社長兼最高商務責任者キャシー・ サビットは言います。「優先事項となる持続可能性に関して、IWCとパートナーシップを結ぶことができ、光栄に思っており ます。持続可能な設計と製造の先駆者であるIWCは、多様な 産業の企業に多くの知見を提供しています。時間の価値に対 する情熱を共有している私たちは、持続可能な事業の未来を 構築するためにも、IWCとの進行中のコラボレーションに期 待しています。」

ブームとIWCとのパートナーシップは、両社に固有の3つの 主要な柱に基づいています。すなわち、「時間」との特別な関 係、優れたエンジニアリングの追求、サプライチェーン全体に 持続可能性を組み込む努力です。

時間の測定と 時間の概念の変化

150年以上前から、IWCは時間を計測するための精密機器を 製造してきました。ムーブメントのテン輪の完全に均一な振動 によって1日を8万6,400秒に分割することで、計時に必要な 基本情報、クロノグラフによるストップ時間の計測、あるいは 2499年までほとんど調整の必要ないIWCの伝説的な永久カ レンダーを実現してきました。他方、ブーム・スーパーソニック 社の使命は、新しい時代の超音速の空の旅の到来を告げるこ とで、世界へのアクセスの可能性を劇的に高めることです。ロ ンドンからニューヨークまで、従来の6時間30分ではなく、ま もなく3時間30分で移動できるようになれば、時間の概念や 時の進み具合が根本的に変化することでしょう。主要な目的地 の間の移動時間が約半分になることで、もっと多くの人々、場 所、文化が体験できるようになるでしょう。

 

t エンジニアリングと革新の最前線で

一方は、世界最速かつ最も持続可能な旅客機の製造。他方は、 機械式時計のムーブメントのような複雑な機構の製造。ブーム もIWCも、エンジニアリングの最先端に身を置きながら、物 理的限界をたえず押し拡げていく必要があります。たとえば、 ブームは高度なコンピュータシミュレーションや風洞試験を駆 使することで、性能と燃料効率を最大化できるようにオーバー チュアを設計しています。それだけでなく、熱的に安定な炭素 複合材料で機体部品を製造するには、材料科学の専門知識も 求められます。IWCは、1980年代に時計業界におけるチタン とセラミックの使用の先駆者となり、それ以来、この分野で独 自のノウハウを獲得してきました。現在、IWCの新しいエンジ ニアリング部門であるIWCエクスペリメンタルは、重力加速 度からの保護やセラタニウム® などの最先端の技術素材の開 発などの分野で、最前線において常に革新を推進する上で決 定的な役割を果たしています。

 

製品ライフサイクル全体での持続可能性

最後に、両社とも、バリューチェーン全体に持続可能性を組 み込むことを最優先課題の一つとしています。ブーム・スー パーソニックは、初のネットゼロカーボンの民間航空機メー カーとなることが期待されています。たとえばオーバーチュア は、燃料効率に優れた設計を備え、100%持続可能な航空燃 料(SAF)を使用できるでしょう。また、ブームは耐用年数が過 ぎたらオーバーチュアをリサイクルすることを目指しています。 他方、IWCの機械式時計は、何世代にもわたって使用できる ように設計されているという点で、本質的に持続可能性を備え ています。ただし、これらに責任をもって製造する必要があり ます。IWCは、持続可能性への協調的で透明な取り組みによっ て高級時計業界をリードしており、活動レポートの隔年報告を 約束し、測定可能な目標を定めています。責任ある材料調達、 パッケージの容積・重量の削減、紙ベースのストラップなどの 持続可能な新素材の開発など、IWCは自社製品の設計、製造、 流通、修理の各要素を一貫して改善しています。ブーム・スーパーソニックとIWCシャフハウゼンのパートナー シップから、今後さまざまな共同プロジェクトが生まれる予定 です。 ブームとIWCは、たとえば持続可能性という優先事項 に特に焦点を当てて共同作業を実施していきます。ブームも IWCも、それぞれの産業のサプライチェーンを通じた持続可 能な製造の実践に尽力しています。

 

ブーム・スーパーソニック社

ブーム・スーパーソニック社は、持続可能な超音速飛行によっ て民間の空の旅を刷新しようとしています。ブームの画期的な 民間航空機、オーバーチュアは、速度、安全性、持続可能性 に関する業界最高レベルの基準にしたがって設計されていま す。オーバーチュアは、ネットゼロカーボンで、100%持続可 能な航空燃料(SAF)を使用し、現在最速のジェット旅客機の 2倍の速度で飛行することができます。オーバーチュアの受注 は、購入とオプションを含め70機に達しており、またブーム はオーバーチュアの政府向け用途のために米国空軍とも協力 しています。デモンストレーション用の航空機であるXB-1は 2020年にロールアウトし、現在、ネットゼロカーボン飛行の テストプログラムが進行中です。同社を支援している世界的な 投資企業としては、ベッセマー・ベンチャー・パートナーズ、プ ライム・ムーバーズ・ラボ、エマーソン・コレクティブ、アメリ カン・エキスプレス・ベンチャーズなどがあります。詳しくは、 https://boomsupersonic.comをご覧ください。

IWC シャフハウゼン

1868年、米国の時計技師であり、起業家でもあったフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズはボストンからスイスへ渡り、シャフハウゼンに「インターナショナル・ウォッチ・カンパニー」を設立しました。彼が描いた夢は、先進的なアメリカの製造方法とスイスの時計技師たちが持つ優れた職人技を組み合わせ、その時代の最高の懐中時計を作ることでした。そして彼はIWCの独創的なエンジニアリング手法の基礎を築き上げ、スイスの地で機械式時計の集中生産を確立しました。

IWCシャフハウゼンは150年にわたる歴史の中で、正確かつ頑丈で、顧客にとって使いやすいクロノグラフやカレンダーなどの機能を組み合わせた時計を生み出すことで高い名声を得てきました。またIWCは、チタンやセラミックなどの素材の先駆者であり、チタンアルミやセラタニウム® などの先進的な素材を用いたテクニカルウォッチケースの製造もおこなっています。華美な装飾よりも「形態は機能に従う」という原則を優先するスイス時計メーカーとして、時代を超越した製品への思いは、まさに人生を旅するオーナーたちの夢と志を体現しています。

IWCは、責任を持って素材を調達し、環境への影響を最小限に抑える措置を講じながら、何世代にもわたり受け継がれる持続可能な時計を生み出しています。また、すべての従業員に快適な職場環境を提供し、誇りをもって未来を担う時計職人とエンジニアたちへのトレーニングを実施しています。さらに、IWCは子供たちと青少年への支援に向けて世界的に活動している組織とも提携しています